このサイトに限らず、色々な場所で文章を書くのを生業としているのですが、実は書くだけでなく読む事も大好きな管理人。
学生時代から活字中毒とばかりに、小説、自己啓発本、エッセー、雑誌、漫画と、なんでもござれで季節を問わずあらゆる本を読みふけっています。
そんな読書好きの私にとって、どうしても気になる季節が秋です。
読書の秋という言葉もあるくらい、秋は一般に読書に適した季節とされています。でも、読書って季節を問わず出来るもののはずですよね。
なぜ秋と言えば読書となったのか、その由来から紐ほどいていきたいと思いますので、気軽にお付き合いくださいm(_ _)m
読書の秋の由来!
「なぜ」という疑問に対して、真っ先に思い浮かぶのは気候ではないでしょうか?
暑すぎたり、寒すぎたりすると、読書に身が入りませんよね。個人的には読書にはエアコンは似合わず、公園のベンチや、カフェのテラス席などでスマートに本を読みたいものだといつも思っています。
実は、読書の秋という言葉が生まれたのも、元を正せば、この読書に適した気候というポイントが大きく関係しています
秋の読書について書かれている最も古い文献は中国のものだと言われていますので、まずはそこから見ていきましょう。
はるか昔から秋は読書に適しているという認識が
今から約1200年前の中国は唐の時代。
この時代を代表する文人の内の一人に韓愈という人物がいます。その韓愈が書いた詩の1つ、「符読書城南」の中にこんな一節が…
現代語訳:灯火親しむべし
解釈:灯火に親しんで読書に勤しみましょう
この詩は、当時49歳だった彼が、符という18歳の息子に学ぶことの大切さを説いたもの。
この一説が出る直前に「秋になって涼しくなる」という旨が出てくるのですが、それと合わせて考えると、「涼しい秋には火の明かりを使うのに適しているので、どんどん読書をしろよ」と言っているという解釈が出来ます。
確かに、現代の様に電気が通っている訳ではありませんので…
- 夜に読書しようと思ったら火が必要
- 夏に火をおこしたら、暑くて仕方がない
- 虫だって集まるだろう
- だから秋が読書には良い
自然とこう思うのは理解出来ますよね。
この様に、私達が生まれるはるか昔に、既に「秋は読書」だと言われていたんですよ。
ただ、「読書の秋」という言葉が誕生したのは、比較的最近の日本です。
近代の日本において
先にご紹介した「灯火親しむべき」というフレーズは、明治時代の文豪、夏目漱石の著書「三四郎」の中に以下の様に出てきます。
そのうち与次郎の尻(しり)が次第におちついてきて、燈火親しむべしなどという漢語さえ借用してうれしがるようになった。
韓愈の漢詩は明治時代には深く知られていて、当時の日本人にとっても、秋は読書の季節だという認識があったということですね。
その後、大正時代に発行されたある日の読売新聞には、「読書の秋」という言葉がしっかりと刻まれていたそうです。この読売新聞が起源かどうかは、実はハッキリとは分かっていません。ですが、大正時代には盛んに使われていたことが想像出来ます。
30歳オーバーの私の祖父が生まれるより以前から、私達日本人は「読書の秋」に慣れ親しんでいたんですよ^^
まとめると
昔々、まだまだ電気も無かった時代には、夜に火を灯さないと読書は出来ませんでした。そして、顔の側に火があっても快適だといえる秋は読書には適していた。
これが詩として詠まれるという事は、非常に多くの方がそう認識していたのでしょう。
そうした秋の夜の読書が時代を経て、いつしか「秋は(一日中が)読書に適している」という解釈に変化したのではないかと私は考えています。
今ではエアコンの普及で、いつでも快適に読書を楽しむ事が出来ますが、秋にはこうした歴史を感じながら読書に打ち込むのも面白いかもしれませんね。
おまけ:私が秋に読みたい本
欲求に正直なのが私ですから(笑)
そんな私の本棚から最もオススメする1冊がこちら。
日経新聞の夕刊で今でも続いている食のエッセイの単行本(第二集)で、例えば「ラッキョウの味噌汁」とか、「自家製のカラスミ」といった、言葉だけで気になるものから、「ハンバーグとライスの相性」まで、本当に様々な食が魅力的に取り上げられた作品です。
この本を開くといつも、著者の小泉武夫さんは本当に食べる事と料理をする事を愛してるんだと感じられ、その愛が私の食欲を刺激してきます。読んでいるだけでお腹が空いてくる作品ですので、ダイエットを考える必要がある人(私のこと)は要注意なんですけどね(汗)
つい先日の記事に書いているのですが、今年の私にとって、秋に必須なのは運動です。
いつか居酒屋風に改造されている小泉さんのご自宅のキッチン「食魔亭」に招かれてみたい。そんな夢を持ちながら、今年の秋はこの本を開いて、食べた気になるとしますか…
【そんな私の秋情報】
※秋は運動で健康を取り戻そう!誰もが出来る3ステップ