「すまんなあ、俺がハゲているばっかりに…。」
これ、私の父が酔っ払うと私の髪を見て言う言葉です。
父は20代後半から頭頂部がハゲ始めた、薄毛界きってのエリート。笑いながらの言葉ですが、本人的に多少気にしている部分がある様です。まあ、私は父からの遺伝だと思っていないので、いつも流しているのですが^^;
明らかに父が薄毛なのに、何故私が父の遺伝を否定するのか。本日はその理由をお伝えしていきたいと思います。
今、「父親で無いのなら母親から?」と思われた方!もちろんそのポイントも押さえますので、最後まで読んでいって頂けたらと思います。
はげが遺伝するのは父方からなのか、母方からなのかを知り、自身の対策に生かしていって下さいね。
遺伝ではげるメカニズム
父母どちらからという話の前に、まずは遺伝で髪が薄くなるのが何故なのかを見て行きましょう。
健康的な生活をしているのに髪が薄い人もいれば、明らかに自堕落な生活をしているのにフサフサな人もいますね。この差が生まれる最大の原因が遺伝だと言われています。
男性型脱毛症(AGA)は医学的な解析が年々進んでいます。特にここ10年での進歩は凄まじく、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが薄毛化を引き起こす事が分かっています。
ジヒドロテストステロン?
テストステロンという人間の成長には欠かせない男性ホルモンが、頭皮の毛入頭に多く存在する酵素、5αリダクターゼ(2型)と結びつく事でジヒドロテストステロンに変化するのですが、この悪玉男性ホルモンは髪の毛が成長する期間を短くして、次の毛が出てくるのを待つ休止期に移行させてしまう、薄毛の人間にとってはとんでもなく恐ろしい物質です。
髪の毛が太く十分に成長する前に抜け落ちてしまうので、ジヒドロテストステロンの影響を受け易い部位は細い毛の割合が多くなり、次第に頭皮が透けて見える様になってしまいます。
しかも、この短縮されたヘアサイクルが繰り返される内に髪の毛は更に細くなり、いつの間にか頭頂部や前頭部に明らかに薄毛が目立つ様になってくるのです。
この悪玉男性ホルモンが薄毛を引き起こす流れの中で、遺伝に関係してくるのは…
「ジヒドロテストステロンの影響を受け易いか否か」
頭皮にはジヒドロテストステロンに反応する受容体があるのですが、その感度は親から受け継ぐDNAによって決まると言われています。
感度が低いと、ジヒドロテストステロンが生成されても、その影響を受け辛いので髪の毛は太いまま保たれますが、感度が強いとモロに影響を受け、ヘアサイクルが乱れてしまうのです。
人によって薄毛の進み方が違うのは、この受容体の感度を決定する遺伝子が大きく関係しているんですよ。
さて、ここからはいよいよ、その遺伝子を父と母、どちらから受け継ぐのかを見ていきましょう!
薄毛の遺伝子は父母どっちから?
遺伝子学はAGAの研究と同じく、近年大きな進歩を遂げています。以前は分からなかった事がナノレベルで解析される様になりました。
遺伝子医学の第一人者、橋本康弘さんの著書、「薄毛、気になりますか?」での発表によると、男性ホルモン受容体の感度を決める遺伝子は性染色体のX染色体に位置しているという事が判明しています。
X染色体は母親から受け継ぎますので、薄毛になり易いか否かは、母方からの遺伝で決まります。
つまり、母方に若ハゲの親戚がいれば、自分の頭皮の男性ホルモン受容体の感度が強い可能性があるという事。
ただし、遺伝する事もあれば、しない事もあります。
この辺りは兄弟でも個人差がありますので(私の兄はフサフサ)、実際に検査をしてみないと遺伝しているかどうかは分かりません。
最近では自宅で簡易キットを使った検査も可能ですので、どうしても気になるのであれば試してみるのも良いでしょう。
父からは?
実は私は最初はこの遺伝は母方からと言う意見に疑問を持っていました。
それは、確かに母方の親戚には少数ながら若ハゲだった人がいたのですが、そんな事実を吹き飛ばす位、私が父親と瓜二つだったからです。
顔もほとんど同じ、ハゲ始めた年齢も近い。親戚が集まる場に行けば、毎回必ず、「昔から似ているとは思っていたけど、歳を取るたびにそっくりになっていくね。」と言われます。
この父親からの影響が無いなんて言えるのか?
遺伝に関して学んでから、その疑問が気になり中々寝付けない日が続いていました。しかし、ある日、一つの答えに辿り着きます。
「嗜好性や生活習慣が父親そっくり」
父と同じく大酒飲みな私。酒の肴になる塩辛いものが大好きです。また、就寝時間はお互い夜中の2時3時。一般的な家庭と比べると明らかに遅いです。
他にも細かい部分まで行動が似ていて、髪の毛の健康を損ねかねないものが沢山ありました。
これに気がついた私は、早寝早起きを心がけたり、食事は薄味で野菜中心にするなど、生活習慣の改善に着手しました。すると、多少ですが、髪の毛の減りが少なくなったのです。
薄毛遺伝子は母方から受け継ぐけど、父親からの影響も絶対に無いとは言えないのですよ。
最後に
頭皮の男性ホルモン受容体の感度は母親から引き継ぐDNAによって決まります。しかし、私と父親の例を見て頂ければ分かる様に、薄毛化の要因は決してそれだけではありません。
遺伝が原因なのか、それとも他に原因があるのかをしっかり見定めて対策していくのが重要です。
もし、母方に若ハゲの方が多く、感受性の強い受容体を持っている可能性が高いのであれば、ジヒドロテストステロンの働きを阻害する必要があります。これはAGAのクリニックが専門ですので、一度相談に行ってみるのが良いでしょう。
また、自身の薄毛の母方からの遺伝の可能性が低ければ、普段の生活で髪の健康を妨げている要因が無いかを洗い出して、一つ一つ改善していくのが最善では無いでしょうか。
髪が薄くなるのは何故なのか。そこをしっかりと見極めて、効果的な育毛対策をしていきましょう^^