先日、ボケーッとフェイスブックのタイムラインを見ていたら、くださいと下さいの使い方は違うんですよとの情報が流れてきました。
サイト運営者でありながら、今までこの違いを気にした事が無かった私。これを見て、管理人はドキっと、タダでさえ少ない毛が抜けそうになるハメに…。
漢字の方がカッコいいじゃんと、いつも「下さい」をどんな言葉にも使っていました。
しかし、サイトで言葉を扱っている身としては、これは由々しき問題。
当たり前の様に間違った使い方をしていく訳にはいきませんので、この機会にこの違いについてしっかりと考えてみたいと思います。
まずは、友人の発言で知った使い分けの方法を見てみましょう。
くださいと下さいの使い分け
「クダサイ」には2つの意味があり、動詞と補助動詞の役割が…
といきなり書いていくと、若干ややこしくてこのブログにそぐわないので、最初はちょいと簡単にいきましょう♪
「クダサイ」って2つの使い方がありますね。
例:コーラを”クダサイ”
・行動を依頼する時に使う
例:コーラを取って”クダサイ”
この2つに漢字と平仮名を当てはめると…
- コーラを下さい
- コーラを取ってください
コーラという「物」が欲しい時は”下さい”、コーラを取るという「行動」が欲しい時は”ください”が正しい使い方とされています。
どうしてこんな違いがあるの?
そもそも、昔(戦前)はどちらも正しいのは「下さい」とされていて、特に漢字と平仮名の使い分けはありませんでした。
使い方に関係なく、漢字で書く事が良しとされていたそうです。
しかし、昭和28年には反対に、どちらも「ください」と平仮名で書く事が文部省による公用文のルールとして明示されています。
更にその20年後、昭和48年にはこのルールが変更され、先に解説した様な使い分け方が正しいとされる様になりました。
現在でも「文部省用字用語例集(平成26年3月2日改訂新版)」の中で、間違いやすい用字・用語として…
×「…して下さい」⇒○「…してください」
と明記されており、公用文を作成する時はこの使い方が標準となっています。
じゃあ「…して下さい」は間違いなの?
ここまででお伝えしたルールは、公用文を作成する時のもの。
時代によって移り変わりが見られる事からも、決して一般社会での絶対的ルールとは言い切れない事が伺えます。
例えば戦前生まれの方が…
「髪を切って下さい」と手紙にしたためていたとしましょう。
これは誰がどこから見ても、「あなたに髪を切ってもらいたい」という意味で「下さい」が使われていますね。
上記のルールに厳密に当てはめるなら、「髪を切って、(その髪を)私に下さい」といった意味合いになりますが、こう受け止められる事はまず無いでしょう。
(薄毛の管理人ならいざ知らず…)
あくまでも公用文を作成する際のルールとして捉えておけばオッケーです。
と言っても、公用文ではなくても、例えば履歴書や社内文章を書く時は要注意。
中には気にする人もいる可能性が十分ありますので、漢字と平仮名の使い方を徹底するのがベターですね。
しかしながら…
確かこの授業の要点は、「行ってみる」と「行って見る」には明確な意味の違いがあるという事だったと思います。
- 行ってみる:行く事を試みる
- 行って見る:行った後に目で見る
動詞の後につく「みる」は、漢字にすると全く別の意味に取られてしまう可能性があり、混乱を避ける為にも平仮名で書かなければいけないと。
この点を考えると、くださいを「…してください」と補助動詞で使う場合は、平仮名である事が正しいと判断する事も出来ますね。
一般社会での良くある使い方と、学校で学んだ事に若干の違いがあるのが現状です。
「…して下さい」という言葉を使っても間違いとは言えませんが、学校で学んだ事を考えると、将来的にはどうなっていくかは分かりません。
少なくとも、誰かにこの使い方を教えるなら、“何かをしてもらいたい時は「…してください」と表記する”と伝えるのが良いのではないでしょうか。
今回のリサーチを通して「日本語って難しい…」と思わされました。
「髪を切って下さい」と書くのが間違いではないにしても、このブログも多くの方に読んでいただいている事を考えると…
「物」が欲しい時は”下さい”、「行動」が欲しい時は”ください”というルールを、今後は意識していかないとなと身が引き締まる思いがしています。
まあ、さすがに昔の記事は修正しませんので、その点は寛大な目で見てやってください。
最後に、わざわざ「髪を切ってください」を例文として取り上げたのは、いつものアラサー薄毛の管理人の自虐ネタ。
あまり気にせず、サッとスルーしていただければと思います(笑)