マッシュポテトやフライドポテト、肉じゃがに粉吹芋。ホクホク美味しいじゃがいもは管理人の大好物。ご飯代わりに炭水化物をじゃがいもで取っているくらいです♪
そんなじゃがいもですが、芽の部分にソラニンと言う毒素が含まれているのは有名な話ですね。
「加熱しても無くならないから、芽はちゃんと取りましょう!」なんて、調理実習で教えてもらった記憶があります。
でも、ちょっとぐらいなら…。
すっかりと存在を忘れていて、芽だらけになってしまっているじゃがいもを見ていると、ついついそんな事を考えてしまいます。
ソラニンってそんなに危ないのでしょうか?調べてみましたので、一緒に見ていきましょう♪
ソラニンの致死量
じゃがいもの芽を食べたからと言って、まさか死ぬ事は無いだろう!
私はこう思っていましたが、農林水産省がしっかりと「死ぬ可能性がある」と発表していました^^;
体重50kgの人に食中毒の症状が出る可能性、死ぬ可能性があるソラニンの摂取量はそれぞれ…
- 50mgの摂取:食中毒の症状が出る恐れあり
- 150mg~300mgの摂取:死ぬ可能性あり
たかが芽だとあなどっていましたが、死ぬ可能性があるという事は、かなり強い毒素だと言う事ですね。
豆知識
チャコニンも同様の摂取量での危険性があります。ソラニンと同部位に含まれている物質ですので、取り除き方はソラニンと一緒。
以前は2つを合わせてソラニン類と呼ばれていましたが、最近ではポテトグリコアルカロイドという呼称が使われています。
実際に食中毒が起きた事例は沢山あります。
じゃがいもによる中毒事故の事例とその症状
まずは小学校の調理実習で起きた事例を2つ見てみましょう。
ケース1
学校で栽培したじゃがいもを皮付きのまま炒めて食べた事による、ソラニンの摂取が原因でした。
調理済みのじゃがいもを検査したところ、100gあたり最大で50mgのソラニンが含まれていたそうです。
ケース2
理科の実習でじゃがいも作りに励んでいた小学校で、6年生の児童75人と先生2人に食中毒の症状が見られました。
給食調理員が生徒達が作ったじゃがいもを皮付きのまま茹で上げ、それを食べた事が原因だったとの事です。
どちらも、学校で起きた例ですので、決して大量のじゃがいもを食べた訳では無さそうです。
これらの事例の注目ポイントは、「皮付きのまま食べた」「生徒の作ったじゃがいも」の2つです。
実はソラニンは、じゃがいもの芽だけでなく、皮の周りにも多く含まれています(芽が一番多いです)。
東京都健康安全研究センターによると、男爵芋の可食部1gあたりのソラニン含有量は0.026mgとごく少量です。しかし、皮には0.560mgと、実に約22倍ものソラニンが含まれているのです。
芽が出ていないから大丈夫だと判断してはいけないのですね。
また、学校の実験で作るじゃがいもは小ぶりで未成熟な場合、日光に晒されて青く変色している場合が多いです。こういったじゃがいもには、ソラニンがより多く含まれていると言われていますので、より注意が必要です。
上記のケースの場合、未成熟なじゃがいもを皮付きのまま食べたことが食中毒の大きな要因となっています。
ちなみに、ソラニンによる食中毒の症状として、頭痛やめまい、嘔吐や下痢、腹痛などが挙げられます。早い場合には、20分後にはこういった症状が出ます。
もしもじゃがいもを食べた後でこの様な症状が出た場合には、すぐに病院に行く様にして下さい。
もう1つ、死亡事故の事例を見てみましょう。
ケース3
じゃがいもを食べた後に中毒症状が起こり、腹部の血流が止まってしまったのだそうです。
この時には、彼だけでなく、実に61人もの人が中毒症状に見舞われました。
どの様なじゃがいもを、どんな風にして食べたのかの資料はありませんでしたが、実際にじゃがいもが原因の死亡事故が起こっているのです。
そうそう。3つのケースで症状が出たのは、ほとんどが子供ですね。実は大人と比べて子供の方がソラニンへの耐性が少ないと言われていて、大人の1/10程度の量で食中毒を起こす可能性があります。
子供のいる家庭では見過ごせない情報ですよね。
しかし、じゃがいもの無い食卓はどこか味気ない。怖がってばかりはいられません。
どんな対策を取れば良いのでしょうか。
じゃがいもを食べる際のソラニン対策
食中毒の原因はソラニンやチャコニンとハッキリしています。となると、こうした物質が多く含まれている部位を食べない事が一番の対策となるでしょう。
まず、一番大切なのは、じゃがいもの芽を根元からしっかりと取り除くことです。包丁を上手く使って、芽は食べない様にしましょう。
これは恐らく皆さんが気をつけている事でしょう。でも、これだけではダメだとこの記事を通して気付かれていると思います。
是非、以下の点に注意して下さい。
- 家庭菜園や学校で取れた小さなじゃがいもは使わない
- 日光に当たり青く変色したものは、分厚く皮をむく
- 保存は変色や芽が出るのを避けるために冷暗所で
- 皮付きのままの調理は避ける
- あまりに発芽が進んだものは食べない
- 苦味やえぐみを感じたら食べるのをやめる
こうした注意点をしっかり守りさえすれば、じゃがいもでの食中毒に見舞われる可能性は激減します。
管理人のひと言
農林水産省のデータによると、170℃のオーブンでじゃがいもを15分間加熱すれば、ソラニンの濃度は確かに低下したそう。しかし、同じ温度で揚げた時には、減った場合と変わらない場合の両方が見られたとの事です。
皮付きのままフライドポテトにして食べるのは、特に子供のいる家庭では避けた方が良いでしょう。
じゃがいもは美味しいだけでは無く、栄養も豊富で日々の健康には欠かせない食材です。
例えば、ビタミンCは熱で調理すると失われてしまうものですが、じゃがいものビタミンCはでんぷんに守られているので、煮ても焼いてもほとんど無くなりません。
確かにソラニンなどの毒は怖いですが、しっかり対策すれば大丈夫!
ホックホクのじゃがいも料理を楽しんで、素敵な食生活を送っていきましょう♪