オランダの非営利団体「マーズワン」が、人類火星移住計画を立て、実際にメンバーを募集しているのを知っていますか!?
昨年にかなり話題を集めたニュースだった様ですが、管理人が知ったのは、つい先程。ネットで情報を発見して、かなりの衝撃を受けました。
このプロジェクトは、2024年に火星に人を送り込む事を目的としていて、決して夢物語としてでは無く、実現へ向けた細かい計画が既に打ち立てられています。
あまりにも気になって仕方が無いので、本日はこのマーズ・ワンプロジェクトについて、公式サイトやその他の媒体の情報をリサーチしていきたいと思います。
一体どんなプロジェクトなのか。本当に問題無く火星に移住できるのかなどなど、調べる前から気になって仕方がありません^^
マーズワン・プロジェクトとは!?
マーズワンは、国ではなく民間のプロジェクトチームです。オランダの起業家によって立ち上げられ、2012年に計画が発表されました。
この発表によると、24人の一般募集で集まったメンバーが、2024年から2年ごとに4人ずつ火星へと送り込まれる予定との事です。
昨年にはメンバーの募集が行われており、世界中からなんと20万人近くもの応募者が殺到!候補者は1058名選ばれており、その中には日本人も10人含まれているそうですよ。
ここで、マーズワンが公開している動画をご紹介しましょう!
最初は公式動画を貼ろうかと思っていたのですが、色々と動画を漁っていたら、同じものを数ヶ国語に翻訳対応させたエクセレントな動画を発見しました。
YouTubeの翻訳機能は、どうしても意味不明の日本語になってしまいがちなのですが、こちらは英語が苦手な方にも非常に分かり易いと思います^^
字幕を出す方法
下の画像の数字の順番にクリックしていけば大丈夫ですよ♪
もちろん、「日本語」を選んで下さいね♪
これで、この夢のあるプロジェクトの概要は掴めたのではないでしょうか!
公式サイトには、更に詳しい情報が紹介されています。
もっと深くこのプロジェクトについて知る為に、上記のサイトで紹介されている年度別の計画を訳して、まとめておきたいと思います。
それでは、一緒に見ていきましょう!
火星移住までのスケジュール
公式サイト内の「ROAD MAP」のページを参考に書いていきます。
立ち上げの際の情報も紹介されていますので…
- これまでの経緯
- 出発までの準備
- 火星への出発と到着後の計画
この流れでお伝えしていきますね♪
それでは行ってみましょう!
これまでの経緯
既にメディアを通したプレスリリースが数度に渡って出されており、全世界で注目されています。
公式サイトのSNSでのシェア数を見ても、その期待値が伺えますね!
2011年
マーズワン・プロジェクトが誕生した年です。
チームを創立したバス・ランスドルプ(Bas Lansdorp)と、共同創設者であり、技術面でのチーフであるアーノ・ウィールダーズ(Arno Wielders)の2人は火星移住計画の財団を設立しました。
彼らはアメリカやカナダ、イタリア、イギリスの宇宙産業の識者とミーティングを重ね、計画を細かく精査していきます。
そして、最終的に「火星に人間を移住させる事は可能だ!」という結論に至り、この壮大な計画がスタートしました。
2013年
昨年の4月に、移住メンバーの募集概要が大々的に発表されました。
まず、世界各国からメンバーが集められる事、候補者は2年間の選抜コースの中で、3度に渡って振り分けられていく事が伝えられ、実際に候補者が選ばれました。
最後には4人のメンバーが所属する6チームが作られ、移住へ向けたトレーニングへと進みます。なお、火星での住居が技術テストとトレーニングの為に試作されています。
ちなみに毎年、補欠要員を選ぶ為のセレクションが開かれるそうですよ。私達にもまだチャンスがあるかもしれません!
出発までの準備
候補者が決まれば、次に必要なのは訓練、そして移住環境の準備ですね。
火星移住の実現へ向けて、来年から約10年間に渡っての綿密な計画が立てられており、着々とプランが進められていきます。
2015年
火星移住に向けたトレーニングが始まります。
トレーニングにおいて最も大切なのは、人が全くいない場所に長期に渡って対応する能力を付ける事。メンバーは住居や惑星探査機の修理方法、医療技術の習得、農作物を育てる方法などを学んでいきます。
また、それぞれのチームは、辺境にある基地(火星の基地を模倣したもの)で毎年数ヶ月を過ごし、移住の準備を進めます。
この火星生活のシュミレーションには、出来る限り火星に似た場所が使われます。最初は比較的適応しやすい場所が、その次の段階では、例えば北極の砂漠地帯などの辺境が選ばれる予定となっています。
2018年
火星に着陸する為のデモンストレーションが行われます。
これは、人が成し遂げられる事なのかどうかを確認する、非常に重要な機会。なんとしても成功させなければなりません。
更に、火星の軌道上に写真や動画、その他のデータの送受信を目的とした通信衛星が飛ばされ、火星と地球とで常に情報を送り合う事が可能となる予定です。
2020年
惑星探査機と牽引車が火星に送り込まれます。
この探査機は、人間の生活に適した土地、すなわち水を多く含んだ豊かな土壌がある上に、太陽光発電の可能な場所を探す目的を持っています。
そして、移住地が決まったら、2年後に予定されている住居を輸送するミッションに向けて、火星の地表を平坦にならしていきます。なお、電気を供給するソーラーパネルを置く場所を探す任務も行う計画となっています。
この年には、2台目の通信衛星が太陽の軌道に送られ、火星の軌道上にある通信衛星が利用出来ない時でも通信する事が出来る様になります。
2022年
出発まではあと2年!
2022年には住まいとなるユニット式の住居、生命を維持する為の装置、電気を供給する機器が2つずつ火星向けて送られます。
打ち上げは5月で、翌年の2月に到着する予定となっています。
2023年
火星に到着した住居を含む機材は、探索機によって移住計画地へと運ばれます。
まずは生命維持装置を移動させ、充電作業を行い利用出来る様にします。その後、全ての機材を運び、移住に向けた準備として、酸素や水などの供給を整えていきます。
メンバーが到着されるまでに用意されるのは、呼吸が可能となる気圧、3000リットルの水、120kgの酸素などです。
火星への出発と到着後の計画
一般的な宇宙計画は、ロケットを飛ばして帰ってくるまでで終わりますが、マーズワン・プロジェクトは違います。
火星に到着してからが本当の始まり。この計画には終わりは無く、永遠に続いていくのが最大の特徴でしょう。
2024年
とうとうマーズワンのメンバーが火星に向けて飛び立つ年がやってきます。
火星から準備完了の信号が届いたら、最初に技術者達を乗せた輸送機と着陸機を別々に地球の軌道上へ発射する計画となっています。
技術者達は輸送機と着陸機を繋ぐ作業を進めながら、移住メンバーの到着を待ちます。
そして、いよいよ第1陣の移住メンバーが飛び立ち、先に地球を出た技術者達と合流し、交代。技術者達は地球へと帰ります。
この後、輸送機に乗り込んだ移住メンバー達は火星の状況と輸送機の最終チェックを行い、確認が終わり次第、火星へと出発!人類史上初の火星への有人飛行の始まりです。
この旅は210日間、約7ヶ月の時間がかかる予定。なお、出発したら二度と地球へ戻る事は出来ません。言わば、片道切符の旅ですね。
ちなみに、この年には、第2陣メンバー用の住居なども火星へと送り込まれます。
2025年
到着の24時間前に、メンバーは輸送機から着陸機へと移動し、火星へ着陸するには大き過ぎる輸送機は切り離されます。
火星に着陸機が到着した後、上陸に先駆けて、移住者達は48時間を重力に適応する為に機内で過ごします。そして、火星へ降り立った彼らを待つ探査機に乗り込み、住居へと向かう事になります。
その後の数日間は住居の中のみで過ごし、火星の環境に身体を慣らします。
そして、まずは電力を得る為にソーラーパネルを組み立て、住環境が整い次第、火星での本格的な生活がスタートします。
宇宙ステーションで過ごす飛行士達とは違い、彼らは何があろうとも任務を放棄する事が出来ません。したがって、この計画において大切なのは、余剰とも言える程の物資を準備しておく事。
第2陣のメンバーを合わせると、8人で4つのユニット式の住居を使う事になりますが、この住居は倍の16人が生活可能な計算で作られる予定となっています。
2026年
第2陣の移住メンバーは、この年の10月に地球を出発し、翌年の7月に火星に到着します。
なお、前回と同じ様に、第3陣のメンバー用の住居も同じく打ち上げられます。
そして、次は2028年、その次は2030年と、2年ごとに移住者が4人ずつ火星へと送られ、最終的に24人が火星で生活をしていく事になります。
いや~、調べれば調べるほどワクワク感が止まらなくなりますね。
でも、この計画を実行するには、まだ沢山の問題が残されています。
プロジェクトは問題だらけ
例えば、金銭面について考えてみましょう!
マーズワンの試算によると、第1陣の移住メンバーが火星に到着するまでの費用は60億ドル(約6000億円)。この費用を捻出するまでの道のりはまだまだ長そうです。
訓練や宇宙の旅、火星での生活をテレビで放映する予定となっていて、確かに莫大な放映権料や広告費が期待出来るでしょう。
しかし、視聴者の興味がどれほどのものかは未知数。
主催陣は、オリンピックで発生する収益が2週間で40億ドル程だという例を出して、「更に注目されるであろうこのプロジェクトが60億ドルを稼ぐのは十分可能だ」と見込んでいるそうですが、果たしてどうなる事やら…。
また、仮に最初のメンバー達が火星へ行く事が出来たとしても、その後も注目され続けなければ、次のメンバー、また次のメンバーを送り込む事が難しくなってしまいます。
しかも、地球へ帰ってこれない永住計画である以上、24人の生活を半永久的にサポートし続けるのは必須ですからね^^;
他にも…
- 片道計画で人間を火星に送る人道的な問題
- 初めての試みであるが故の技術的な問題
- 人間が本当に火星の環境に適応出来るのか
- メンバーの健康維持、特に精神面の管理は可能なのか
などなど、素人の私が想像しても、次から次に問題が浮かび上がってきます。
出発を予定している2024年はたった10年後。本当にこの計画が実現出来るのか、それはまだまだ闇の中ですね。
既に1年間計画が遅れている訳ですし…。(昨年の発表では2023年の出発予定でした)
でも、実現したとしたら、初めて月に上陸した、あのアポロ13号以上の衝撃が世界中に走る事になるでしょう。
SFが大好きな私としては、是非ともマーズワン・プロジェクトが成功するのを見てみたい。心からそう思います♪
それにしても、最近は宇宙産業の話題が事欠かないですね。
つい先月、「宇宙旅行の費用!サラリーマンでも行けるの!?」という記事を書きましたが、まさか火星移住計画まで実際に進められているとは。
私が死ぬまで夢のまた夢だろうと思っていた様な事が、次から次へと実現へ向けて準備されている。なんと素敵な世の中でしょうか!!仕事が大変だったり、彼女にフラれたりと、やさぐれがちな私ですが、人生捨てたもんじゃありませんね。
子供の頃と同じ様に、沢山の夢を見ながら年を取って行けそうです^^
※この記事は2014年4月17日の時点の情報を元に作られています