世界でも稀な印鑑社会の日本。色々な印鑑を用意するのは大変ですね。でも、実家から独立したばかりの時は、自分専用の印鑑を持っているのが何だか嬉しかったのを良く覚えています。
そんな管理人がまだまだ青臭い青年だった頃、頭を悩ませたのが実印と認印は別々のものにした方が良いのかという疑問です。
人生で初めて車を購入する時に実印が必要になったのですが、普段使っている印鑑でもOKなのか否か。新たに印鑑を買うかを本気で悩みました。
結果、判子屋さんでちょっと高級なものを実印用に購入したのですが、同じ様に悩んでいる方も多いのではないかと思います。
当時の経験を元に、実印と認印の違いについて記事にしていきますので、一緒に見ていきましょう。
まずは、実印とはどういったものかからお伝えしていきますね!
実印とは?
実印とは市役所や区役所などで登録した印鑑の事です。役所の市民課で実印登録さえすれば、手持ちの印鑑が実印へと早変わりします。
例えば、家やマンション、車などを購入する時には、この実印と役所で発行してくれる印鑑証明が必要となります。契約ごとには欠かせない、非常に重要な印鑑が実印です。
実印として登録出来る印鑑のルールは自治体によって少しずつ違いますが、主に登録可能な印鑑とされているのは以下の条件に沿ったものです。
- 縦横のサイズが8mm以上、25mm未満のもの
- 変形しにくい材質のもの(ゴムやプラスチックは不可)
- 磨耗したり、欠けたりしていないもの
- 戸籍上の姓名のどちらか。または両方が彫られているもの
- 他人が既に登録していないもの
- シャチハタは不可(インクが経年劣化して確認出来ない)
また、自治体によっては不可の場合もありますが、スーパーや100円ショップなどで売っている三文判も登録する事は可能です。
私はかつて、マンションの営業マンをしていましたので、お客さんに実印を押してもらう機会が沢山ありました。
なぜ実印を押してもらうかと言うと、実印が「お客さん本人が契約しましたよ」という証明になるから。契約書への捺印と印鑑証明が揃って、初めて契約が成立します。
言い換えれば、実印を書類に押し、印鑑証明を提出したら、それは本人が納得して契約したという事。また、実印と印鑑証明がありさえすれば、他人でも契約が出来てしまう可能性があるという事です。
実印の取り扱いにはくれぐれも慎重になる必要があります。
次は認印について見ていきましょう。
認印とは?
認印は、ザックリ言えば実印以外の印鑑です。ただし、実際に認印が必要な時に実印を押す事も可能ではあります。
会社で印鑑を押す必要がある時、郵便物の受け取りの時など、使う機会が非常に多い印鑑です。家用と会社用など、何本も持っている方も多いでしょう。朱肉無しで使えるシャチハタが認印には便利ですね。時々使えない事もありますが^^;
私は今までに何度も、「あっ、判子忘れた!」と100円ショップに印鑑を買いに走った事があります。印鑑社会の日本では、印鑑が必要な事が多く、認印はあらゆる場面で使いますからね。
ただし、その名前の通り、「本人が認めましたよ」と書類等に押す判子ですので、法律的には実印と差がある訳ではありません。と言っても、印鑑証明を使った役所による証明が出来ないので、重要な契約ごとにはほとんど使われません。
実印は必要になったら購入する、認印は最低でも1本は持っておくという方が多いですね。
おまけ:銀行印は?
銀行によってルールは違いますが、一般的な印鑑であれば登録出来る場合がほとんどです。最近では銀行印用にイラスト入りのものを作る会社も増えています。
銀行員と通帳が手元にあり、住所氏名が分かれば預金をおろす事が出来ますので、実印と同じく、取り扱いに注意が必要な印鑑です。
ここまででお伝えしたとおり、実印と認印の違いは「使用機会」です。印鑑そのものの違いではありません。実印登録出来る印鑑であれば、実印と認印で同じ印鑑を使う事も出来ます。
ですが、それはやめておいた方が良いですよ。
実印と認印、銀行印は別にしておくのがベスト
悪用されてしまう危険を考えて、実印と認印、銀行印は分けておきましょう。例えば、何気なく使った認印の印影をコピーされて、それが実印も兼ねていたとします。
その認印の印影を元に作った印鑑は実印そっくりに仕上がりますね。それを使って自分名義でマンションの契約をされたとしたら…
「でも、印鑑証明が無いじゃん!」と思う方もいるでしょう。
ですが、印鑑証明は印鑑登録カードさえあれば委任状無しで取得する事が出来ます。もしコピーをした人が、こっそりと自宅に泥棒に入ってこのカードを盗んでしまえば、勝手に作られてしまう可能性があるという事。
マンションの営業マン時代に、忙しいお客さんに代わって印鑑証明書を取りにいく機会が何度もありました。思っている以上に簡単に印鑑証明は取れるものですよ。
もちろん、滅多にある事ではありませんが、もしもの時を常に意識しておきましょう。
印鑑ってそう日常的に使うものではありません(特に個人のものは)。それ故に、登録から時間が経つと、どれがどの印鑑か分からなくなってしまうこともあります。と言いますか、昔は私は忘れまくってました(汗)
実印や銀行印がどれかを確認しようとすると、どうしても役所や銀行に行かなければいけません。銀行印の場合、更に紛失してしまうと登録に1週間程度時間が掛かってしまいますので大変です。
※私の経験も含めて詳しくは
⇒銀行印を確認する方法!通帳があれば大丈夫!?
そうした時に別々の素材にしておくとか、素材は一緒でも印影の書体を違うものなどにしておくと、非常に覚えやすくなります。私の場合、認印も含めて3本セットで別々の書体にしていますが、おかげで今では忘れなくなりました。
ちょっと良い印鑑も含めて(お金関係のものはしっかりしたものにするのが良いですよ~)、色んなタイプの印鑑をネットショップの職人工房さんでは扱っています。セット売りも、書体の指定も出来ますし、かつ全品職人による手彫りなのも嬉しいところ。
私は変わり種のチタン製、かつスワロフスキー付きのものを愛用していますが、ぜひ一度覗いてみてください^^
ポイントをまとめますと、実印はお役所で登録したもの、認印は雑多に利用する印鑑を指します。ついでに銀行印はその名の通り、銀行で登録した印鑑ですね。
必ず別々のものにして、悪用される可能性を出来る限り小さくしておきましょう。
なお、「実印とは?」の章で少しだけ触れていますが、スーパーや100円ショップで購入した印鑑でも実印登録出来ます。しかし、当然これも避けるべきですよ。
コピーするまでも無く、お店にいけば実印と同じものが手に入りますね。悪用する側からすればより好都合です。
世界に1つだけしかない、手彫りの印鑑を実印にしておくのが一番。こう考えていただければと思います~^^