私の住んでいる岡山県倉敷市は、地方都市らしく幹線道路に飲食店チェーンが並んでいます。ラーメン屋やファミリーレストランなど、バラエティ豊富なラインナップで、何を食べようかいつも悩んでしまいます。
そんな飲食チェーンの中で、最近特に目立っているのがビュッフェです。すなわち、食べ放題のお店ですね。
好きなものを好きなだけ食べられるビュッフェは、小さいお子さんのいるご家庭にも、お腹を空かせた学生さん達にも大人気で連日大賑わい。私も大喰らいの友人と食事に行く時は迷わずビュッフェを選びます^^
最近太り気味なのは、きっと彼と出掛ける事が多いからだな…。と、私の愚痴はさておき、子供の頃には食べ放題といえばバイキングでしたよね。
今でもバイキングと名前を付けているお店もありますが、どうして最近はビュッフェと呼ばれる事が多いのでしょうか?
何が違うのか、一緒に考えていきましょう!
バイキングとビュッフェの違い
バイキングやビュッフェを店名に入れているお店は沢山ありますね。
例えば「すたみなバイキング」や「ワールドビュッフェ」といった名前のお店がありますが、これはどちらも食べ放題のレストランです。
ちょいとお洒落なレストランがビュッフェ、より家庭的なお店がバイキングの名前を使っている印象はありますが、どれも食べ放題のレストランばかり。大きな違いは見当たりません。
そこで、言葉の違いを見てみましょう。それぞれを直訳すると…
- ビュッフェ:Buffet(立食の セルフサービスの…フランス語)
- バイキング:Viking(北欧の海賊…英語)
ビュッフェにも疑問は残りますが、食べ放題とバイキングには関連性が全く無さそうですよね。実は、バイキングという言葉を食べ放題に使うのは日本だけ。日本発の造語なんです。
初めて日本でバイキングという言葉が食べ放題に使われたのは昭和33年。今から56年も前の事でした。
バイキングの歴史
それまでは食べ放題のお店はほとんど無く、好きなものを好きなだけ食べられるこのレストランは大人気に!
その大盛況ぶりをみた他のレストランオーナー達は、この人気にあやかろうと、次々に「~バイキング」と名前を付けた食べ放題のレストランをオープンしたんですよ。
その中には、北欧料理以外を食べ放題で提供するレストランも多く、いつの間にか、食べ放題のレストランにはバイキングという名前を付けるという図式が出来上がったのです。
この様に、バイキングは昔から食べ放題のお店に使われてきた言葉なんですよ!
さて、次はビュッフェについて考えていきましょう。
ビュッフェの意味は「立食の セルフサービスの」でしたね。確かに、食べ放題を含んではいそうですが、それ以外の立食式のパーティーなどにも使えるはずですよね。
それでは、どうしてこの言葉が食べ放題のお店の名前に使われているのでしょうか?
ビュッフェの謎
ビュッフェは決して食べ放題だけを意味する言葉ではありません。英語版のwikipediaの”Buffet”についてのページに、これを示す面白い1文があります。
Another variation is a conveyor belt sushi restaurant, where seated patrons select dishes from a continuously-moving conveyor belt carrying a variety of foods.
Buffet in wikipedia
これを訳すと…
「(ビュッフェの)もう1つのバリエーションは、席についた客が様々な種類の食べ物をベルトコンベアーから好きに選ぶ回転寿司です。」
そう。英語での解釈では、回転寿司もビュッフェの1種なんです。
回転寿司もビュッフェ??もはや何が何だか分かりませんね。
このビュッフェの謎を紐解くヒントは、海外にも「~ビュッフェ」の名前を採用しているレストランが沢山あるという事です。
ビュッフェが一気に増えたのは
海外のレストランには「AYCE(All-You-Can-Eat) Buffet」、すなわち「食べ放題ビュッフェ」と言うジャンルがあります。これを省略して、ビュッフェだけをレストランの名前の一部にしているお店が多いんですよ。
私は12年前に2年間、アメリカのUticaという地方都市に住んでいました。この街にも…
「Chinise Buffet(中華料理ビュッフェ)」
「Indian Buffet(インド料理ビュッフェ)」
などの店名の、色々なジャンルの食べ放題レストランがありました。
この頃は日本ではまだまだ食べ放題といったらバイキングが主流。ビュッフェという言葉が広まったのは、私が帰国した後からでした。
つまり、管理人の帰国に合わせて、違和感が無い様にレストランが名前を変えてくれたという事ですね♪
すいません。冗談はこれくらいにしておきます…。
私が日本に帰った頃には、ちょうどグローバル化というキーワードが叫ばれていました。これはご存知の通り、国境の無い考え方やビジネスをしようという考えです。
飲食業界もこのグローバル化の波の中にいて、欧米風のスタイリッシュなお店がどんどん増えていました。この時期からビュッフェを含む名前がついたレストランが増えたという事は…。
そう。海外の食べ放題レストランの名前を参考にしたという答えに辿り着きますね!
つまり結論は
ビュッフェとバイキングは語源が違います。
- ビュッフェ⇒欧米発の食べ放題
- バイキング⇒日本オリジナルの食べ放題
両方とも食べ放題を表していますが、どこで生まれたかに違いがあるのですよ。
こうして考えてみると、バイキングと比べてビュッフェのレストランがどことなくお洒落で、洋風な雰囲気の場合が多いのにも納得がいきますね。
ただし、ビュッフェという言葉には注意が必要です。
と言うのも、ホテルなどで食べ放題ではないセルフサービスの食事を「ビュッフェスタイル」と呼んでいる場合があるから。例えば、結婚式の案内などに「お食事はビュッフェスタイルです。」と書かれていても、食べ放題ではない事があるんです。
おかわりを取りに行ったら、テーブルの上には空の皿ばかり。
そんな時に、「次の料理はいつ来るんですか?」なんて聞いてしまったら、ちょっとだけ恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
まあ、恥知らずな管理人は気にせず聞いちゃいますけどね(笑)だって、別の意味のビュッフェかもしれないですから!